生命の歴史
中生代ジュラ紀
世界の大半は湿度の高い熱帯でしたが、乾季のあるサバンナのような環境もみられました。
ジュラ紀後期には竜脚類とよばれる植物食恐竜がきわめて大型化し、巨木の茂る地上をのし歩いていました。竜脚類を獲物とする肉食恐竜も、後を追うように大型化を遂げています。恐竜や翼竜に混じって最古の鳥類の姿もみられました。海の中では、イルカに似た魚竜や、首長竜、海ワニなどの爬虫類や、サメ、エイなどのほか、アンモナイトやエビも栄えました。
<ジュラ紀の動物と植物>
アロサウルス

学名: | Allosaurus |
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名前の意味: | 奇妙なトカゲ |
別名/異名: | アントロデムス・サウロファガナクス |
分類: | 竜盤目・獣脚亜目・アロサウルス科 |
生息年代: | ジュラ紀後期 |
生息地域: | アメリカ・ポルトガルなど |
大きさ: | 全長約9~12m |
食性: | 肉食 |
どんな動物?: | 大きな口に鋭い歯、手には大きなカギヅメをそなえたアロサウルスは、ジュラ紀では最大級の肉食恐竜です。 両目の前の骨は角のようにもり上がり、恐ろしげな風ぼうを、さらに猛々しく見せています。この角は強い陽射しの日中や戦いのときに、自分の目を守る働きもしたようです。 骨格は軽快なつくりで、大きさの割にはとても敏捷に動けたと考えられています。また、群れをなして狩をした可能性もあります。 |
アーケオプテリクス

学名: | Archaeopteryx |
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名前の意味: | 古代の翼 |
別名/異名: | 始祖鳥 |
分類: | アーケオプテリクス目・アーケオプテリクス科 または竜盤目・獣脚亜目・アーケオプテリクス科 |
生息年代: | ジュラ紀後期 |
生息地域: | ドイツ |
大きさ: | 全長約0.3~1m |
食性: | 肉食 |
どんな動物?: | 羽毛と翼をそなえており、最初の鳥類を意味する「始祖鳥」とよばれます。また、化石はダーウィンの進化論を援護した学者ハクスリーが研究したことでも有名です。 現代の鳥類にはない鋭い歯と長い尾をもち、手には鋭い爪の生えた3本の指がありました。骨格の特徴は、むしろヴェロキラプトルの仲間によく似ており、獣脚類にふくめる場合もあります。 航空力学的にすぐれた風切り羽をもっており、はばたいて飛ぶことも多少できたと考えられます。ごく最近、後肢にも長い羽毛があったことが確認されています。 |
ステゴサウルス

学名: | Sutegosaurus |
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名前の意味: | 屋根トカゲ |
分類: | 鳥盤目・装盾亜目・剣竜下目・ステゴサウルス科 |
生息年代: | ジュラ紀後期 |
生息地域: | アメリカ |
大きさ: | 全長約9m |
食性: | 植物食 |
どんな動物?: | 剣竜の中では最大です。たがいちがいに生えた背中の板には血管がたくさん走っており、暑い場合はここから体内の余分な熱を逃がし、寒い場合には太陽熱を吸収したと考えられています。また、板のふちが刃物のように鋭くなっていて、武器の役目もかねていたと考える学者もいます。 2~6対ある尾のスパイクは強力な武器で、これに刺されて足に穴の開いた肉食恐竜アロサウルスの化石も発見されています。たてに平たい体型は走るのには不向きでしたが、戦うときの小まわりはきいたとみられています。また、細かい骨でできた鎧がのどを守っていたことが明らかになりました。 |
オスニエリア

学名: | Othnielia |
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名前の意味: | オスニエル・マーシュ(有名な恐竜学者)にちなむ |
分類: | 鳥盤目・ヒプシロフォドン科 |
生息年代: | ジュラ紀後期 |
生息地域: | アメリカ |
大きさ: | 全長最大2.4m |
食性: | 植物食 |
どんな動物?: | 非常に長い後肢をもっており、チーター並みに速く走れたと考えられています。 アロサウルスのすぐそばから化石が発見されたこともあり、同じ環境に生息していたことは確かです。開けた環境で競争すれば必ず逃げおおせることができたオスニエリアも、待ち伏せし、茂みから飛び出してきたアロサウルスには、不意打ちで餌食にされることもあったことでしょう。 |
ディプロドクス

学名: | Diplodocus |
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名前の意味: | 2つの梁 |
分類: | 竜盤目・竜脚形亜目・竜脚下目・ディプロドクス科 |
生息年代: | ジュラ紀後期 |
生息地域: | アメリカ |
大きさ: | 全長約26m |
食性: | 植物食 |
どんな動物?: | 特に化石が多く見つかる竜脚類で、名前は背骨の腰に近い部分の突起が二又に分かれていることに由来します。 高い木の葉を食べるときは尾を支えに立ち上がったといわれますが、首の構造から、ふだんは低いところの葉を食べたと考えられます。細長い口の前にだけ、鉛筆のような形の歯が並び、葉をむしって丸のみしていました。 尾は70個以上の骨からなり、先のほうは骨がつながってムチのような構造になっていました。実験によると、尾をいきおいよく振りまわした場合、先端のスピードはマッハ1にも達したと考えられます。このような尾は、アロサウルスなどの肉食恐竜にとって、恐ろしい武器だったかもしれません。 |
セイスモサウルス ※現在はディプロドクスの大型のものと考えられています。Earth Storyの情報を一部更新

学名: | Seismosaurus |
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名前の意味: | 地震トカゲ |
分類: | 竜盤目・竜脚形亜目・竜脚下目・ディプロドクス科 |
生息年代: | ジュラ紀後期 |
生息地域: | アメリカ |
大きさ: | 全長約35m |
食性: | 植物食 |
どんな動物?: | 全身骨格が復元された恐竜としては世界最大で、体重は42tに達したと考えられます。 1日に500㎏もの植物を食べたと計算する学者もいますが、頭骨はせいぜいウマ程度の大きさに過ぎず、口の前の方に鉛筆のような形の歯が生えていました。おそらく、飲みこんだ石を胃にためて植物をすりつぶしたほか、消化管の巨大なスペースを生かして発酵させていたのでしょう。 これほどの大きさの恐竜ともなれば、幼体や病気などで弱った個体を除いて、敵に襲われる心配はほとんどなかったと考えられます。 現在では、ディプロドクスの大型のものと考えられています。 Earth Storyの情報を一部更新 |
ランフォリンクス

学名: | Rhamphorhynchus |
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名前の意味: | 舳先のようなクチバシ |
分類: | 翼竜目・ランフォリンクス亜目・ランフォリンクス科 |
生息年代: | ジュラ紀後期 |
生息地域: | ドイツ・イギリス・アフリカ東部(タンザニア) |
大きさ: | 翼開長約1m |
食性: | 肉食 |
どんな動物?: | 長い尾をもつ翼竜の仲間です。水辺に生息し、そりかえったクチバシに並んだ鋭い歯で主に魚を捕らえたようですが、昆虫なども食べたことでしょう。 ランフォリンクスはヒバリからトビくらいまで、さまざまなサイズの化石が発見されていますが、これらのほとんどは異なる種ではなく、おそらく成長段階をあらわしていると考えられます。 |
ナンヨウスギ

学名: | Araucaria |
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分類: | 球果植物門・ナンヨウスギ目・ナンヨウスギ科 |
生息年代: | ジュラ紀前期~現在 |
生息地域: | 世界各地(現在は南半球のみ) |
大きさ: | 高さ約45m |
どんな植物?: | 北半球ではジュラ紀、南半球ではジュラ紀から白亜紀にかけて繁栄した植物で、葉や実は植物食恐竜の胃を満たしていたと考えられます。 現在のナンヨウスギ属には、ノーフォークマツ(別名コバナンヨウスギ)、アメリカウロコモミなどいくつか種類がありますが、当時はもっと多様だったと考えられています。現在の北半球では野生種が絶滅してしまいましたが、庭木などに植えられているので見かけることもできます。 |
セコイア

学名: | Sequoia |
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分類: | 球果植物門・スギ目・スギ科 |
生息年代: | 三畳紀後期~現在 |
生息地域: | 世界各地(現在はアメリカ西海岸のみ) |
大きさ: | 高さ70mに達する |
どんな植物?: | ナンヨウスギと並んで、ジュラ紀から白亜紀にかけて、北アメリカやヨーロッパでは非常に繁栄した植物です。現在ではカリフォルニア州の湿った風が吹く海岸付近にだけ生えており、その面影をしのぶことができます。 |