学びのコーナー
コミュニケーションロボットについて学ぼう ~ともにドラえもんをつくる 日本大学大澤研究室~

INDEX
- 日本大学 大澤研究室について
- Human-Agent Interaction (HAI)とは?
- ドラえもんの第一歩 非言語コミュニケーションロボット
- ロボットが家電やモノに乗り移り!?「ITACO」について
- コミュニケーションロボットと飛行機の旅
- 代表者紹介
日本大学 大澤研究室について
大澤研究室は「ともにドラえもんをつくる」がビジョンの研究室です。ドラえもんづくりの実現に向けて、誰しもがドラえもんと認めたくなるような、みんなに愛されるドラえもんを、たくさんの人との協力によってつくるために研究活動を行っています。
ドラえもんの実現に向け、人とロボットが関わっていくためには、現在の人工知能技術をさらに発展させる必要があります。私たちはHuman-Agent Interaction (HAI)と呼ばれる研究領域を主軸に、人とロボットが共存する未来に挑んでいます。
研究室の紹介とAIについて
Human-Agent Interaction (HAI)とは?
HAIとは、人とエージェント(ロボット)の相互作用を研究する学問領域です。HAIは、エージェントと人の両者を一体のシステムと捉え、その関係性を追求しています。 HAIのコア技術は、 人工物に対して「心」を想定することだと大澤研究室は考えています。人工物に対して「心」を想定することで、人との関わり方が大きく変化します。 人工物に「心」を想定した時の人の変化を利用することで、人とエージェント(ロボット)の全体を最適な状態にデザインできます。 HAIの研究を推進する「心」を想定できるロボットづくりに大澤研究室は取り組みロボットが人と共存する未来をつくるために活動しています。
ドラえもんの第一歩 非言語コミュニケーションロボット
大澤研究室では、ドラえもんをつくるための第一歩として、「ドラえもん」に登場するミニドラをイメージしたロボットを開発しています。
このロボットは「ドラえもん」のミ ニドラや「ポケモン」のピカチュウのように、人の言葉ではなく「ドラドラ」とだけ声を発します。
すると私たちは「『こんにちは』って挨拶してくれたの?」、「『元気出せ』って言ってくれてるの?」と私たちは彼らが言いたいこと(=心の内)を、一生懸命考えてしまいます。そして、その動きに「癒し」を感じ、人はこのロボットに対して心を想定します。
人と同じように会話できる技術はなくても、話さないことでむしろ人間がロボットに心を想定して寄り添うことができたら、彼らは私たちにとって立派なともだちになれるのではないか、と私たちは考えています。
ロボットが家電やモノに乗り移り!?「ITACO」について
「ITACO」とは、自分のことを理解したパーソナルAIがPCやタブレットだけでなく冷蔵庫やテレビ、電子レンジなどさまざまなメディアに乗り移り、人とコミュニケーションをとり、生活の支援などをしてくれるシステムです。
大澤研究室では、ドラえもんのような「心」をもち、人に寄り添うことのできるエージェントの開発にあたっていますが、寄り添いが必要な場面で、ロボットがそばにいないという場合も想定できます。ITACOを実現することで、子供から大人まであらゆる人と関係性を構築できる新しいエージェントの姿の社会実装を目指しています。
コミュニケーションロボットと飛行機の旅
ITACOのコンセプトをみなさんに知ってもらうために制作した動画です。「広島から東京への旅行」をコンセプトに、日常の中にエージェントが溶け込む生活の姿を描きました。未来の生活の姿を想像していただけたら嬉しいです。
代表者紹介
大澤 正彦(おおさわ まさひこ)
1993年生まれ。
日本大学 文理学部 情報科学科 助教。博士(工学)。
東京工業大学附属高校、慶應義塾大学理工学部をいずれも首席で卒業。学部時代に設立した「全脳アーキテクチャ若手の会」が2,500人規模に成長し、日本最大級の人工知能コミュニティに発展。
IEEE Young Researcher Award (最年少記録)をはじめ受賞歴多数。新聞、webを中心にメディア掲載多数。孫正義氏により選ばれた異能をもつ若手として孫正義育英財団会員に選抜。
認知科学会にて認知科学若手の会を設立・2020年3月まで代表。著書に『ドラえもんを本気でつくる(PHP新書』。
夢はドラえもんをつくること。